JA浜中町について

組合長のちょっと言わせて!!

2024 ふぁん4月号

2024.7.22

 今年の冬は寒い日と暖かい日が交互に来る何ともなじみにくい天候でした。凍結深度は例年より浅いと思っていたのですが昨年よりは深いようですが早く畑が青くなることを期待するところです。ただ酪農情勢には円安の影響は大きく、まだ暖かい春は少し遠いようでいつ来るのか予想がつかない状況が続いています。春闘において大手企業は大幅な賃上げを行っていますが、本当に中小企業にもその波が来るのかは非常に疑問が残ります。一部の中小企業に限られるのではないか、北海道のような地方の企業にはなかなか難しい課題だと思われます。千歳市にラピダスができますが人もお金も道央圏に今まで以上に集まってしまい、今まで以上に北海道の地方都市が疲弊してしまわないように努力していかなければなりません。釧路地域に限定せずにオホーツク地方を含めた道東圏全体で考えたときには釧路港がどの様なビジョンでどの様な機能を持ち、道路網の整備も含めた周辺機能の整備ができるかにかかっていると思います。酪農家が元気になるには周りの人達も元気でなければなりません。

2024 ふぁん3月号

2024.7.22

 

 今年は雪も少なく2月中旬だというのに日中の気温が10度を超えるような陽気となり雪解けが進んだりしました。オホーツク海沿岸では例年よりも早い流氷の到来でしたが氷は薄く温暖化の影響なのか本来であれば2月はもっと寒いような気がします。3月末や4月に大雪が降って春が遅くなったり、6月の牧草収穫の時期に雨が続いたりしないように願うばかりです。温暖化のなか異常気象が当たり前になり昨年のような猛暑がこれから当たり前のように訪れることが予想されます。今の備えのままで昨年のような状況になれば予定は立たないし繁殖は悪くなるし、厳しい酪農情勢をもっと悪くすることも考えられます。今年からの猛暑対策は絶対に必要です。自分たちで対応しなければならないことではありますが、今の経済状態ではなかなか諸熱対策にお金を回すことのできる人は限られているにもかかわらず、農水省ではエーリック予算とクラスター事業の省エネ枠だけで足りない予算と使い勝手の悪い予算ばかりで、現場・現状に合った予算になっていませんが自分たちでできることはやっていくしかありません。自分に必要な牛と乳量は確保してください。

2024 ふぁん2月号

2024.7.22

 年が明けて一か月が過ぎましたが我々のところは比較的穏やかな一か月だった気がしますが、元日早々の石川県能登地方の大地震はほぼ能登半島全域を壊滅状態にしてしまいました。多くの犠牲者の方々や被災者の方々にお悔やみとお見舞いを心より申し上げます。日本全国どこでも地震の脅威があることはわかっているつもりでも、なかなかそのための準備ができているかと言われるとまだまだ足りないことばかりのような気がします。我々も6年前の胆振東部地震の時のブラックアウトの記憶が遠い昔のようになっていないでしょうか。やはり酪農・畜産の世界では水が非常に重要だということが今回の地震でも思い知らされています。準備が進んでいない水対策を早急にしなければなりません。酪農情勢厳しい中ではありますが、自分たちでできる災害対策と危機管理をもう一度この機会に考えなければいけません。

2024 ふぁん1月号

2024.7.22

 新年明けましておめでとうございます。

 組合員の皆様並びにご家族の皆様がご健勝で新年を迎えられましたことをお慶び申し上げますとともに、今年こそは皆様方の我慢と努力が報われる1年でありますようにご祈念申し上げます。また、日頃より農協運営に対しましてご理解とご協力をいただき心より感謝申し上げます。

 さて、昨年はロシア軍によるウクライナ侵攻が泥沼化して長期化するなか、突然10月にパレスチナによるイスラエル攻撃に端を発した戦闘状態は、中東だけでなく世界を巻き込んでの大惨事となり、ウクライナ情勢も含めて一部の国の利益のために国連が機能不全となり、未だに収拾のつかない事態となっています。世界の混乱の中で、日本の円安と物価高は一向に収まる気配はありません。円安によるインバウンド需要の回復はあるものの、日本経済の回復は遠いものとなっており、物価高は世界共通の状況ですが、先進国の中で日本だけが中小企業の経営難などもあり、給料が上がらず個人消費は低調なままです。

 牛乳・乳製品の消費も例外ではなく低調ではありますが、生産抑制と夏の猛暑での乳量の減少により、積み増ししていた脱脂粉乳の在庫は少しずつ減少して5万トン代前半ほどになっています。これも北海道の酪農家の皆さんが出口対策に拠出しているからこその状況であり、6年度の目標数量はバター需要を見込んでの1%増の403万トンとすることができたと思います。制限のある中ではありますが生産抑制から増産への舵を切ることとなりましたが、肥料・飼料など生産資材の高騰するなか、各々の経営での余裕のある中での増産を考えていただきたいと思います。あまり無理をすると増産しても経営が逆に悪化してしまう場合もありますので、自分の経営に合ったやり方を見つけていただきたいと思います。今年の乳価は1月から昨年の最高値よりも高い乳価で始まっていますので、生産資材高騰のなかですが粗飼料の品質なども含めると昨年よりは経営環境は良いと考えますが、もう少し個体販売価格が上がってもらえるとありがたいところです。

 最後になりましたが、本年が人にも牛にも過ごしやすい気候であり皆様方のご多幸とご健勝をご祈念申し上げて年頭の挨拶といたします。

2023 ふぁん12月号

2024.7.22

 今年も残すところあと1か月となってしまいました。やり残していることはもうないでしょうか。もしあるのならば、それを済ませてから来年度の営農計画作成に取り掛かっていただきたいと思います。ロシア軍によるウクライナ侵攻が終結する気配の見えないなか、中東でのパレスチナのハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃に端を発する戦闘は、パレスチナガザ地区でのイスラエルによる悲惨な攻撃が激化しています。病院や学校などけが人や避難民が多く集まっている場所への攻撃をして、一般人の犠牲よりもハマスの壊滅を重要視しているようであり、子供や女性の犠牲者が増えていくなか、国際法を違反している行為ですら正当化しようとしている行為は認めることはできません。ウクライナ、中東、アフリカなど世界各地で争いが起きています。犠牲になるのは一般人であり大きな悲しみが憎悪に変わり争いへと変わっていく負の連鎖をどのようにしたら止められるのでしょうか?本当にむなしさしかありません。このような状況に比べれば我々の現在の酪農状況など乗り越えられないはずがありません。

2023 ふぁん11月号

2024.7.22

 早いものでもう11月に入り、今年も残すところ2ヶ月となりました。それぞれのクミカン状況に基づき来年に向けた準備は進んでいるでしょうか。12月に入るとすぐに営農計画の作成が待っています。今年の経営状況に問題のなかった方は経営方針を継続していただき、問題のあった方は今年の反省を踏まえて営農計画に挑んでいただきたいと思います。

 10月23日に岸田首相が所信表明演説を行い「経済に重点を置く」と訴えました。ガソリン・電気・ガスの補助を24年春まで9兆円規模で延長するとの表明でした。ありがたい話ではありますが、これまでの補助を継続する場当たり的な政策で切り抜けようとしているのか、それとも解散総選挙を睨んでのものなのか、成功すれば良いのですが失敗したときの代償は大きいと思わざるを得ません。そもそも根本的な改善が必要ななのに、そのことには一言も触れていないのは問題だと思います。これらのお金もすべて借金であり将来への「つけ」となります。若者はもっと声を上げなければいけないと思います。

2023 ふぁん10月号

2024.7.22

 9月に入っても異常に暑い日が続いています。お盆過ぎには少し涼しくなりましたが、8月下旬には暑さが戻ってしまい牛にも人にも非常に厳しい状況です。高温多湿の状態が長く続いて体へのダメージも大きく、2番草も下草が蒸れて質の悪いものとなってしまいました。牛・人の体調に気を付けて営農していただきたいと思います。

今年も生産抑制下ではありますが、この暑さで目標を大きく下回る乳量となり、今年収穫した1番草を給与しても暑さのせいかなかなか乳量が戻ってきません。必要な乳量を確保するため自分に合ったやり方を選択していただきたいと思います。購入資料に対する安定基金は出ていますが差し引きの実質手出し飼料価格は上がっています。穀物相場は安定しているものの円安がそのまま継続している状況では飼料価格が大きく下がる見込みは薄いと思われます。パルプもビート作付面積が制限されいる中では今までのような供給は難しくなるでしょう。収穫した粗飼料と相談しながら最も良い飼料設計をしてください。

2023 ふぁん9月号

2023.8.30

 1番草の収穫は早かったものの2番草は作業が遅れ、品質は良くないものとなりました。1年を通して良い粗飼料を収穫するのはなかなか難しいものです。しかし1番草は良いものが収穫できたので期待しています。

 4月からの加工原料乳価は10円、8月からの飲用乳価は10円から各々上がりましたが、乳量が落ち込んでいる現状で組勘に反映されていないことは少し気がかりです。7月ぐらいから生乳の道外移出が前年対比で少し増えているようですが、消費が伸びているというより酷暑による乳量の減少によるもので、9月以降の燃料代や電気代などの物価上昇を考えると消費の伸びを期待することは難しい状況です。もう少し乳価が上がらないと酪農家の経営は苦しいままです。食料安全保障の観点からも生乳として長期保存が出来ないことなど、消費者の理解と子供たちへの食育活動をしっかり取り組んでいく必要があります。そのためにも、乳質を含めて消費者に安心・安全を届けられるように我々も努力しなければなりません。頑張るぞ!

2023 ふぁん8月号

2023.8.9

 今年は6月中旬頃より晴れの日が続いて一番草の収穫作業も順調に進み、質・量ともに昨年より良いものが収穫されたと思います。購入飼料が高騰しているなか、少しほっとしているところです。

 8月より飲用乳価が10円上がりますが、北海道でのプール乳価にすると概ね2円程度の値上げになります。全道の手取り乳価では110円程度になると見込まれます。いまだかつてない乳価でありますが、原料価格の高騰や円安進行により、飼料・肥料だけでなく社会全般的な物価上昇の中で生産資材高騰に乳価が追い付いていない状況です。牛乳・乳製品の消費が伸びない中なかで加工乳価値上げ交渉はかなり厳しいものになりますが、ホクレンには頑張ってもらいたいと思います。

 前回の北海道酪畜対では、北農中央会やホクレンの役員から「今年でこの酪農情勢から脱却したいので私たちに協力してもらいたい」と力強い言葉を聞くことが出来ました。この言葉を実現するためには、酪農家個々の我慢と努力、そして「共に頑張ろう」の精神が必要だと思います。

2023 ふぁん7月号

2023.7.1

第76回通常総会に当たりご挨拶申し上げます。昨年は人数制限をした中での開催でしたが、今年は来賓の皆様をお招きして4年ぶりに制限なしでの実開催となり、誠に喜ばしく思います。お忙しい中ご出席賜りましたご来賓の皆様に感謝申し上げます。

 昨年は北京オリンピックが閉幕して4日後の2月24日にロシア軍によるウクライナ侵攻が始まり、泥沼化の様相を呈していますがプーチン大統領に侵攻をやめる気配はありません。知床観光船沈没事故による北海道観光への悪影響や、安倍元首相銃撃事件を発端にした旧統一教会の問題が政治的・社会的に表面化し大問題となるなど、暗いニュースの多い1年だったと思います。

 また、年明け1ドル115円台で始まった為替相場も10月には一時的に150円を超え、その後も円安は収まらず130円台で推移しています。ウクライナ侵攻と相まって原油価格、配合飼料価格、肥料価格をはじめ生産資材高騰が続いており、価格が下がる見通しが立たないまま酪農経営を圧迫し続けています。

 日本社会全般でも物価高騰で消費マインドが下がって牛乳・乳製品の消費が落ち込み、脱脂粉乳の在庫は積み増しが進み一時10万トンを超える事態となりました。その後は国や乳業メーカー、酪農家の拠出金により徐々に在庫量はバター・脱脂粉乳ともに減っている状況で、現在バターの在庫は適正量に近い水準まできているのではないかと思います。しかし、4月からの加工原料乳価10円引き上げ前の駆け込み需要とも考えられ、また乳価引き上げによる消費低迷も予想され予断を許しません。

 昨年は乳価据え置きで始まり、11月に飲用乳価が10円上がっただけで酪農家の経営が非常に厳しい状況の中ではありましたが、当農協の財務状況においては、皆様からの出資金は14億円を超えることができ、資本金は昨年と同様に34億円を維持することができました。貯金残高は162億円を超えるところまで来ております。

 生乳取扱量は前年度2.3%減の94,474トンとなり、総乳代は100億円を割り込むこととなりました。家畜販売などを含む総売上高でも120億円を割り込むこととなりましたが、税引前当期利益を93,994千円上げることができ、出資配当金として11,774,730円、事業分量配当として45,381,307円を計上して本総会にご提案することができました。これもひとえに組合員皆様のご理解とご協力の賜物と感謝申し上げます。

 子会社・関連会社の状況でありますが、コープ浜中はコロナ禍の中、また1か月以上の内装工事の中でも売上高を確保して経常利益を出すことができました。酪農王国、若牛の里は生産資材高騰の中、何とか黒字決算とすることができました。研修牧場は赤字となりましたが、一時的なものと考えており一層の努力をしてまいりたいと考えております。

 本年度事業としては、良質乳生産と経営安定の取り組みとして現地指導を強化し、自給飼料や堆肥・スラリーを最大限に活用できるよう酪農技術センター機能の充実を図り、生産コストの見直しや経営ロスの改善を提案します。担い手対策は浜中町や農業委員会と連携して本年度中に一組の新規就農を行い、就農希望者の確保に取り組んでまいります。コロナ禍で置き去りにされていた健康診断などの定期検診を強力に推進します。持続可能な社会に向けて理解向上を図ります。コロナ禍で計画から4年間を経過したバイオマス事業を年度内に稼働します。持続可能な酪農を実現するためには、再生産可能な所得の確保と自然環境を意識しながらカーボンニュートラルを理想に近づけていかなければなりません。

 非常に厳しい酪農情勢ではありますが、韓国で発生した口蹄疫などの伝染病への防疫やいつ起こるか分からない災害対策など、経営状態に関係なくやらなければならないこともまだ残っており、しっかりと準備しなければなりません。今年の牛乳・乳製品の需給は、インバウンドの回復と乳価引き上げによる消費の減退とが相まって先が非常に見通しにくい状況ですが、組合員の経営と地域社会を守るために今何をするかを考え行動できる農協であるために役職員一丸となって努力してまいります。

 最後になりましたが、浜中町長を始めご来賓の皆様のご理解とご協力をいただき感謝するとともに、これからも一層のご協力を賜りますことをお願い申し上げまして私の挨拶といたします。